職人のための街
ティエールは、リヴラドワ=フォレの入り口、デュロール渓谷を見下ろす岩山の上に築かれています。旧市街の木組みの家々や坂道が続く路地は、この街の古さを物語っています。中世から刃物産業が発展し、時代を経てフランス最大の刃物生産拠点となりました。
動力源としてのデュロール川
すべては川から始まりました。街の下の渓谷を流れ下るデュロール川は急勾配であり、人々はそこにダムや水車を設置しました。これらの水車が砥石や鍛冶場の機械を動かしたのです。川沿いには「工場の谷」と呼ばれる場所に、工房や工場が岸にしがみつくように次々と建てられました。
今も語り継がれる研ぎ師の姿
ティエールで最も有名な職業は、砥石で刃を研ぐ研ぎ師(émouleur)です。20世紀初頭の写真には、湿気が多く寒い工房で、体を温めるために足を犬に乗せ、石の上に腹ばいになって作業する彼らの姿が残されています。この姿は、街の象徴の一つとなりました。
多くの職人の手を渡る技術
ティエールのナイフは伝統的に、鍛造、研削、組み立て、研磨といった多くの工程を経て作られ、それぞれの工程が異なる専門職人に任されていました。こうした分業体制が、ティエール盆地に多くの企業が密集する理由です。今日でも、フランスで製造されるナイフの大半がティエールとその周辺で生産されています。
街の名を冠したナイフ「ル・ティエール(Le Thiers)」
1990年代、ティエールの刃物職人たちが組合を結成し、街の名を冠した折りたたみナイフの共通モデル「ル・ティエール」を考案しました。複数のメーカーがそれぞれ独自の解釈を加えて製造しており、今や地元の刃物産業を代表するシンボルの一つとなっています。
ティエールを訪れる
旧市街にある刃物博物館では、この歴史をたどることができます。「工場の谷」はデュロール川沿いを徒歩で散策でき、街中では路地から路地へ、木組みの家から刃物店のショーケースへと散策を楽しむことができます。
ティエールとメゾン・ムーシュ
私たちのオリーブの木で作られたシャンパンサーベルは、ティエールの刃物パートナー工房で製造されています。この歴史の一部を食卓に取り入れられる、当店のコレクション「ティエールの刃物」をぜひご覧ください。